新そば

慶次郎

2010年10月24日 18:58

新そばを食べに、大森のしのはらさんを訪れる。

板わさ、だし巻き、焼き茄子、銀杏で飲る。
酒を頼んだら付いてくる焼き味噌も美味い。
箸休めの、山葵の醤油漬けも優しい。

新そばは、二八のもりをいただく。
新そばの香りというのは、何故こんなに安らぐのか。

春に味わう蕗の薹や、筍とは明らかに違う息吹。

激しく発せられる春のそれとも違う深みが落ち着く。

静かに萌ゆるという表現が適当か。

出汁かえしのバランスよろしく、喉ごし、噛み応えもよろしい。

仕上げに、香り高い蕎麦湯で締める。

秋深まる静かな午後を、極上の酒と新そばで過ごす。

贅沢な時間にござるな。

食で季節を知る風流。

大儀であった!

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