新そば
新そばを食べに、大森のしのはらさんを訪れる。
板わさ、だし巻き、焼き茄子、銀杏で飲る。
酒を頼んだら付いてくる焼き味噌も美味い。
箸休めの、山葵の醤油漬けも優しい。
新そばは、二八のもりをいただく。
新そばの香りというのは、何故こんなに安らぐのか。
春に味わう蕗の薹や、筍とは明らかに違う息吹。
激しく発せられる春のそれとも違う深みが落ち着く。
静かに萌ゆるという表現が適当か。
出汁かえしのバランスよろしく、喉ごし、噛み応えもよろしい。
仕上げに、香り高い蕎麦湯で締める。
秋深まる静かな午後を、極上の酒と新そばで過ごす。
贅沢な時間にござるな。
食で季節を知る風流。
大儀であった!
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